光と風と(峯田 敏郎 作) 制作 昭和55年
峯田さんは、かつて文部大臣賞を取り、七十一歳で亡くなった新海竹蔵に師事したあと、芸大の大学院で舟越保武について研究をした作家です。
船越の作品「婦人像」が、中央病院の正面玄関を入ったところにありますが、そのお弟子さんということになります。
この船越保武と、「さわらび」や官庁街に設置された「風」の作家である佐藤忠良、そして文化センターにある「鳩」の作家・柳原義達。この三人が、現代日本彫刻を代表する作家です。縁は奇なりで、三人のライバルと弟子の作品が揃ったのです。
さて「光と風と」は、市民憲章運動のとき設置されました。鳩が背中に一羽、手に一羽。これは作者のいたずらかもしれません。
法隆寺の聖観音菩薩像は、サシバ型光背といって、台座から光背の支え棒を立てていますが、背中に支えをとるこの鳩の発想は、自由な表現をする峯田らしいところです。
公園の朝、小鳥のさえずりを聞きながら見るこの彫刻は、ほんとうに静かな風の動きを思わせます。
「作品の解説」(解説文は、市民文化センター元館長 今純一郎氏)
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