かえり道 (山本 正道・作) 制作 平成元年

子ども時代、道ばたできれいな花やアリの行列、虫のけんかなどを見つけたとき、それに見とれて家へ帰るのを忘れてしまって、叱られた思い出が一つや二つは必ずあるものです。 この作品も、無心に花を見つめて時を忘れている女の子を表現したものです。 大正時代から昭和の初めにかけ童心至上主義芸術が盛んになり、新しい童謡童話が生まれます。「赤い靴はいてた女の子・・」や「青い目をしたお人形・・やさしく遊んで・・」という、日米で人形を交換した実話をもとにした有名な歌も作られました。 外国航路の港・横浜市の山下公園にあるその「赤い靴」の彫刻も、山下正道氏の作品で、幼い子ども時代の童心を温かく表現しています。 亡くなった村田静子さんが、子どものころを想い、童心を大切にと贈ってくれた彫刻です。  「作品の解説」(解説文は、市民文化センター元館長 今純一郎氏)

 

作者略歴

山本 正道(やまもと まさみち)

(昭和16年)京都生まれ

(昭和40年)東京芸術大学彫刻科卒業

(昭和43年)イタリア政府給費留学生としてローマ美術学校へ

(昭和48年)新制作協会会員

(昭和52年)第5回長野市野外彫刻賞、東京国立近代美術館賞受賞

(昭和53年)フルデライト芸術部門交換研究員として渡米

(昭和58年)京都国立近代美術館賞受賞 現在・・東京芸術大学助教授

  主な作品

赤い靴(横浜市山下公園設置)
風の音(仙台市野草園設置)
旅の記憶(高岡市古城公園設置)

資料提供 十和田市