女の座像(清水 多嘉示 作) 制作 昭和43年

制作 昭和43年。文化センター中庭にある杉本幸一郎さんの作品「翔」。その杉本さんの先生が清水多嘉示です。師匠と弟子の作品が同じフロアにあるのも奇縁ですが、清水多嘉示の作品を、文化センター落成の記念に寄贈しようと言われた細川耳鼻科の細川雅敏先生ご夫婦が、だからこそ文化センターにふさわしいいと申し出られたものです。

そんな意味で、この「女の座像」と「翔」とを見比べて鑑賞すると、タッチやクシベらの使い方が良く似ていることに気づくと思います。

清水多嘉示は、フランス彫刻界の巨匠ブールデルの直弟子でタッチは荒いのですが、それなのに豊かな丸みや情感をただよわせています。私も十日ほど指導を受けたことがありますが、竹ベラでザクリと切り取られたら、かえって丸みが出たのには驚きました。口数が少なく温厚な人柄が、作品に良く現れている「女の座像」です。

「作品の解説」(解説文は、市民文化センター元館長 今純一郎氏)

 

作者略歴

清水多嘉示(しみず たかし)

(明治30年)長野県生まれ

(大正 4年)旧制諏訪中学中退

(大正12年)フランスに渡り、アカデミー・グラン・ドウ・ミエールに
                 学ぶ
                 ブールデルに師事

(大正13年)サロン・デ・テュイルリー会員

(大正14年)サロン・デ・ザンデパンタン会員

(昭和 3年)帰国

(昭和18年)文展審査員

(昭和29年)国際造形芸術会議日本主席代表、日展顧問
                  日彫会名誉副会長、武蔵野美術大学名誉教授

(昭和40年)芸術院会員

主な作品

裸婦(昭和52年度芸術選奨)

青年像(昭和53年芸術院賞)

資料提供 十和田市