最新号(15号) 創刊号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 9号 10号 ホームへ
11号 12号 13号 14号








まちづくり情報 14号 ページ2
ページ1へページ3へ
●第4回稲生町コンパクトタウン検討会●
 第4回検討会では、前回の検討会で出席者から出された提案についてさらに賛否意見を出し合い、可能性について話し合いました。検討会で出された意見の主なものをご紹介します。
■ 南地区(一〜三丁目)意見 ■

――― 住 環 境 ―――
?@高齢者用集合住宅の建設と経営
賛成:南地区は医院が多く、このような施設ができれば、高齢者にとって生活しやすい環境になり、居住人口増加につながる。ただし、入居対象を高齢者に限らず若者や一般にも広げるべき。
疑問:資金・土地の確保はどうするのか?
⇒場所は仲通りの周りに効率的に配置する。民間で建設する方向で進める。
?A保育園と集会・休憩所を商店街とNPOで経営
賛成:集合住宅や商業施設との複合施設で。子供がいると賑やかになり、人出も増える。ただし、経営は専門家に委ねる。立地は回遊性を考えて。
疑問:保育所、集会所の兼用は難しいのでは?子供人口減少の中での経営は困難では?NPO事業は継続面で不安。商店街組合も運営財源捻出面で難しい。
⇒確かに保育園は過剰傾向にあるが、来年度から始まる小学校の完全週休二日制に注目し、学童保育を持ってきてはどうか。特にこの南地区は三本木小学校の通学路になっている。元教師など隠れた能力を引き出す環境を提供する場にしてはどうか。NPO事業もやり方次第。建物オーナーなど関係者の理解協力次第で十分可能。経営レベルでなく、ボランティア・サービスなど環境条件次第で可能性あり。
?B公園・共同駐車場用地の提供
賛成:子どもの遊び場と来訪者の便利のために賛成。ただし、トイレ・駐車場は必要。商店街運営で。土地の確保、地権者の協力が難しいのでは?
⇒「パティオ風」がより現実的かもしれない。隣接民地同士の共同空間の公園的な使い方により実現可能。仲通りの両側に奥行き20m位の用地提供により設置。ただ中通りをつくるのではなく、両側に配置するものの工夫が必要。

――― 商 環 境 ―――

?C中通りに住商一体の集合店舗・生鮮3品店誘致
賛成:毎日の買い物に便利な商店街になれば住む人が便利なだけでなく来訪者も増えるだろう。集合店舗でより身近なサービスを受けられる。市日復活や南地区にはない業種の誘致も。組合で運営を。
反対:商店街の繁栄につながらない。中通りから多少離れても大規模な市場があった方が良い。
?D国道沿い歩道を6mに広げ中央に噴水を設ける
賛成:潤い環境・商店街の美化として必要。ただし、歩道を広げるだけではなにもならない。
反対:噴水は冬場に使えないし、イベント等に邪魔。むしろ、通年楽しめるモニュメントが良い。一街区だけの道路幅変更は非現実的。公園があれば不要。金がかかりすぎる。商店街全員でできるか。
⇒実験事業として取り組んではどうか。
?E職人の多い街なので、作業場が見えるように
賛成:特に資金を必要とせず当商店街の個性アピールの面からも対応可能。実体験可能にすれば、生涯学習の観点からも創作・工房・体験的環境が提供できる。商品説明や来訪者回遊が図れる。ただし、新店舗にしたり、お店の個性を出せるなら。
反対:商店街では売りに徹するべき。作業は作業所で。職人は多くない。若者達が関心を持つか。

――― 土 地 利 用 ―――

?F両側の地主の用地提供を受け南北中通りを新設する、必ずしも直線にこだわらない
賛成:2街区位、曲線的通りが良い。土地の有効活用につながる。生活が便利になると思う。車進入禁止でゆっくり散策の中通りに。可能なところから着手。
疑問:土地提供の面で、地主の協力が得られるか?
⇒地主の説得、具体的な線引き書をもって話し合いをする。「中通り構想」は難しい面も多いが発展性のある事業なので、これを骨格事業として、?@〜?Eの事業の中で比較的可能な事業を実験事業としてまず着手すると実現性が高いのではないか。
?G不動産業を商店街で経営
賛成:地権者の資産保護のためにはよい。ただし、定期借地権制は必要。合意形成が比較的簡単な隣接地権者同士など小人数レベルで可能だと思う。
反対:商店街での不動産業務は無理、開発経営会社や民間の専門会社で。
⇒にぎわう商店街にすることは土地の価格の向上、安定化につながるので土地の利用法については説得する。不動産業務はプロに任せた方がよいが、地権者と当時者との調整窓口となるのがTMO(まちづくり機関)である。
■ 北地区(六〜八丁目)意見 ■

――― 広場・公園整備 ―――
賛成:商店街区周辺に官庁街のような公園や水路を設け、四季を通じイベントができる場所に。魅力・特徴ある街づくり、住民達のために有効。ただし、朝市広場の場合は屋根付き(全天候型)にするべき。公園も広場も広さの工夫が必要。費用が心配。周辺の住・商環境整備も同時進行するべき。うなぎの寝床を壊す。土地は持っているだけではだめ。利用して生かす。後世のためにも土地に対する意識改革が必要。境界線の囲い込みをやめる。
反対:だれが設置するのか?中央公園を充実させる方が先。商業中心地として活用すべき。必要に応じ行政要望でできる。現在あるものを整備すれば良い。官庁街地区と機能分担すべき。
⇒機能的に合致すれば「公園風」でもよいのではないか。広さにこだわらず、緑被率や緑視率を考慮してみては?

――― 住 環 境 ―――

?@集合住宅整備(高齢者・若者向け)
賛成:街なか定住人口増に有効。ただし、入居者は限定せず、多様な世代の居住を可能に。駅、スーパーに近く、医院も多いので高齢者向け共同住宅の設置はぜひ進めるべき。老人向けグループホームや付帯機能施設(NPO組織事務所など)の併設も。周辺に若い労働者が多いので若者向けマンションがあれば需要の可能性は大きい。ワンルームマンションで一階をレストランに。本来便利な環境なので、市営アパートのように家賃が安ければば若い家族が喜ぶ。現在の古アパートを民間レベルで新しく建て替えて市に借りてもらえないだろうか。
反対:居住施設の新設は、南地区が適地である。
⇒稲生町コンパクトタウンの構想として、地区ごとに考えてはいるが、本来は全地区で考えるべき。あまりに街区毎に役割分担しすぎてはいないか。
?A等価交換方式の住環境整備
賛成:合意調整できれば、住民・地権者の納得が得られ、計画的な街区の構成ができる。ただし、関係者の合意形成に持っていけるようなリーダーが必要。土地の面的集積により、商業用地を造成し、売りこむ。また、商業施設・公的施設の適正配置により魅力ある場所を作り出せば、外部投資も可能なのでは。
⇒街なか暮らしの勧めをもっとアピールする。建てる人はTMOの直事業でなく、民間から出てくような工夫が必要。「公共施設をとりこむこと」を中心に考える傾向があり、基本計画への理解が得られていないようだ。プランづくりに地権者をもっと参加させることを考えるべき。ほしい施設を造る為には、「壊す」段階を踏む思いきった行動が必要。地権者は自分の建物を壊しても大丈夫かという不安があるので理解・合意を得ることは難しい。街づくりの方向性に対しての信用を集めることもTMOの仕事である。

――― 商業・住居・公共機関の複合施設と市場型商業集積施設 ―――

?@ショッピングセンター(SC)と公共機関の導入
賛成:図書館や市民課窓口等公共機関を入れるのが良い。SCは、専門店化を目指した内外一般商店による構成で。尚、3セク方式は無理。他の施設(駐車場・空地整備・イベント広場)も同時進行で。
反対:今までの経過からもSCの誘致は困難。
⇒普通のトレンドSCなら、周辺と競合するが、新しいトレンドのSCを考えれば開設可能かもしれない。
?A旧亀屋の有効利用
立地・面積ともに適地。手作り工房・地元特産品の展示販売に利用が考えられるが、内装費などのコスト面や地権問題から、実現は難しい。パサージュの方が有効。取り壊すべき。両脇駐車場の有効利用など、建物解体更地化のための投資上昇策を考える方が得策。周辺も含めた一体的活用方針で。
?Bパサージュ・パティオと商店街ミニタウン
賛成:通りぬけは必要(裏通り、三浦魚店へ通じる道)。喫茶店、屋台村、トイレ等を整える。駐車場は使い易くしないとだめ。国道沿いを活用して、店舗上層は居住階で。小商店の一極集中は効果的。パサージュ、パティオは併設し、商店を一極集中させる。朝市、散策など、憩いの空間として提供できる。
反対:やる気、実力のある個店を集めないと悲惨な結果になる。
⇒リーダー(まちづくりのプロデューサー)を見つけることで可能になる。地元に限らなければ、儲かる仕組みなら地元外からも入ってくる。
→ページ3へ